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一角獣と貴婦人展

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六本木で開催中の一角獣と貴婦人展を見てきました。
フランス国立クリュニー中世美術館所蔵のこれら一連のタペストリーが
国外に出るのはなんと2度目だそうです。

15世紀ごろの作品だそうですが、誰が何のために作らせたかなどが
謎のままだそうなんです。
フランス中世美術の至宝であるこの作品、作家が誰かわからないというのも
またロマンに満ちていますね。
ジョルジュサンドが見出し、このタペストリーにまつわる物語を作った
というのもまた素敵な逸話ですが、
彼女はタペストリーの中にある「旗」の「月」を見て
中東をイメージしたそうなんですが、
実はフランスの貴族の紋章だったそうなんですね。

でも衣装とか確かにトルコっぽい感じがします。

6作品目の「わが唯一の望み」と書かれているテントなんかは
本当にイスラム風の感じがしますしね。

6作品のうちの5作品は人間の5感を表しているそうです。

「味覚」「嗅覚」「触覚」「視覚」「嗅覚」。

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味覚・・・スイーツを頂いているのでしょうか?
お砂糖かな?マシュマロかなあ?

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視覚・・・一角獣が貴婦人に甘えています。一角獣の表情は一貫して
うっとり甘えた表情・・と思ったら一角獣は鏡に映る自分の姿を見てうっとりしていたんですね。

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わが唯一の望み。

それが何を現すのかがわかっていないそうです。
結婚だったり理性だったり。

唯一の望み・・・依頼者がこの貴婦人と結婚したいってことなのかなあ?
貴婦人が宝石箱のジュエリーに手をかけていますが、
引き出しているのか、戻そうとしているのかは分かっていないそうです。
依頼主から送られたジュエリーかしら?

「わが唯一の望みはあなたと結ばれること!」

なんて単純に思いましたが、何か違う意味が込められているのかもしれないですね。

私が興味を持ったのは特に衣装。
(衣装はいつも興味があるのですが)
当時のフランスやネーデルランドの衣装だそうですが
とにかく豪華ですね。
ちょうどこのタペストリーが制作された100年後くらいの
フェルメールの時代のこのあたりの衣装と
ちょっと似ていますが、
随分ほっそりしています。

フェルメールの時代のシルエットはやはりハイウェストですが
ゆっくりしていてスカートがふわっとしていて
今でもアレンジしたら着れそうな(モデルが庶民だというのもあるでしょうが)
目がハートになっちゃうものが多いのですが・・。

このタペストリーの貴婦人は着用しているドレス、アクセサリーは
とにかく見事です。
羅紗なのかな?ゴブラン織りなのかな?
金糸が織り込まれているのかな?
非常に「織り」のきめ細やかさを感じます・・。
これがタペストリーということに驚かされますが、実にリアル。

召使らしき女性はフェルメールっぽい感じの衣装を着けていますが
ジャンパースカートらしきものが
やはりシルクなのかしら?織りがちゃんと再現されています。

驚くのは髪型で、三つ編みを持ち上げててっぺんで「ちょんまげ」のしていたり
奇想天外なのですよね!!
三つ編みの編みこみは東欧のどこかの国の伝統的な
髪型で見たことがありますが、あれは中世ヨーロッパの髪型だったのかしら?

フェルメール時代の髪型は本当にかわいいのですが
このタペストリー時代の髪型は「懲りすぎ」感があります。

貴族は衣装や髪型に存分にお金をつぎ込んでいたのでしょうね。

各タペストリーには草花の文様
千花模様(ミル・フルール)や樹木がいっぱいに織り込まれています。
植物は私たちが普段見ることの多いなじみあるなでしこやスズラン、
それにヒイラギなど・・・・当然ながら500年前も同じ姿だったのですね。

猿やうさぎ、獅子、水玉模様のテン?(なんで水玉なんだろ?)も織り込まれていますが
さる、ウサギ、テンは同じポーズをとっています。
一角獣と獅子はそれぞれ違うポーズ。

ウサギやテンは同じポーズながらタペストリーによって微妙に違っており
これは織った職人の違いなのかしら?

タペストリー以外にも彫刻やステンドグラスなどが来ており
特にマグダラのマリア像がいくつかの中の一つが
とてもかわいらしく、
とにかくいろいろな意味でとても目の保養になる展覧会でした。

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国立新美術館の近くにある東京ミッドタウンのセールの看板。
エッチングかなメゾチントかな?
凄く可愛いんですけど・・・・。

展覧会を見た後なのもありこの看板を見て
益々貴婦人気分になり
リッツカールトンでお茶しちゃいました♪
by chainesetea | 2013-06-30 11:34 | 展覧会 ライブ

住んでいたシンガポールのこと、今住む日本のこと、旅行の思い出


by Amerling
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